今回ご紹介する旧楠根川緑地は、楠根川の付け替え工事によって整備された旧楠根川一帯に作られた全長約2000mを超える遊歩道です。
現在東大阪市にある楠根川緑地とは別の場所にあります。
場所は府道174号線・八尾道明寺線と楠根川の間、楠根町5丁目から萱振町3丁目まで。
一般的な遊歩道と違って、第1から第5までそれぞれ300m〜400mほどのブロックからなっています。
そのため、第1ブロックと第5ブロックは2000m以上離れた場所にあるのです。
第1ブロックも第5ブロックも最寄りの駅からは少し距離があります。
そのため、近鉄八尾駅前のバスのり場からJR住道駅行きのバスにのって「萱振南口」で降りていただくと、第1ブロック、第5ブロック、どちらでも利用しやすくおすすめです。
第1ブロックは川に沿って作られた細長い遊歩道
八尾市には一級河川の楠根川という川が八尾の南東から北西に流れています。
昭和後期に治水・護岸工事が計画されていましたがなかなか工事が進まず、八尾市役所の建て替えに伴ってようやく平成になってから楠根川の付け替え・整備がおこなわれました。
この整備工事で作られたのが旧楠根川緑地の遊歩道公園です。
遊歩道は第1ブロックから第5ブロックまであり、実際に歩いてみるとそれぞれ雰囲気も景色も違うことがわかりました。
第1ブロックは新家大橋の交差点のすぐ近くにあります。
看板に記載されている「流域貯留浸透施設」というのは、降雨による雨水の流出量を減少させる施設のことです。
洪水や浸水などの都市水害への対策、雨水の循環再生などの有効活用をするための施設です。
遊歩道はきれいに舗装されていて、両側は植木や草花の緑でいっぱいです。
道幅はあまり広くありませんが、自転車やスクーターが走り回るようなことはないので、ゆったり安全に散策できる場所だと思います。
50mくらい進むと川の上に掛かる赤い手すりの橋が見えてきます。
この日は薄曇りで、時々ゆるやかな風が吹いていたので、橋の上に立ち止まって風に吹かれるととても気持ち良いひと時を過ごせました。
すぐそばには交通量の多い府道があるのですが、遊歩道公園が緑でいっぱいなので排気ガスは全く気になりませんでした。
途中のベンチや東屋で休憩しながら、のんびり散歩を楽しむこともできます。
そして第1ブロックの一番端っこには、噴水があり、公園内の小川を潤していました。
気温の高い日は岩の噴水が涼しげでとてもさわやかな感じがしました。
第2ブロックは細長く静寂な遊歩道
第2ブロックの裏には、いくつかの工場があります。
そのため午後12時頃からは工場勤務の方たちがお昼休憩に行くのに通る道になっています。
今年は10月になっても残暑が厳しかったため、秋の花はまだ咲いていませんでしたが、青いヒルガオがたくさん咲いていました。
今年は11月に入ると一気に公園の葉っぱが色づいて鮮やかな紅葉を見られるかもしれませんね。
第2ブロックの遊歩道のほとんどは石畳になっています。
休憩用のベンチは屋根つきなので、日陰で涼むこともできますね。
この遊歩道は途中で急に幅が狭くなるところがあります。
そこから15mほど進んでいくと、第1ブロックとよく似た岩の噴水があります。
すぐそばの水路に噴水の水が流れていく音が小川のせせらぎのように聞こえるので清涼感を覚えます。
第3ブロックは広くてベンチがいっぱい!
第3ブロックの看板の下には、ピンクとオレンジのポーチュラカの花が咲いています。
この看板のすぐ前にも3人掛けベンチがあって、近くの工事現場の男性がお弁当を食べていました。
第3ブロックの遊歩道の横幅は第1、2ブロックに比べるとかなり広く、自転車なども走れるほどでした。
やはりこのブロックも木々と花々が豊かで、ワンちゃんのお散歩コースとしてもよく使われているそうです。
第3ブロックは車道からは少し離れた場所にあります。
周りは住宅街なので、夕方になると子どもたちや親子連れの方が集まってきます。
車が通る道からは少し距離があるので安全に遊べる場所になっているようですね。
このブロックには第1ブロックから第5ブロックまでの全体図も掲げられていました。
第1から第5まで繋がっているわけではないのですが、すぐ近くにあるので隣り合ったブロックの移動は簡単にできます。
第4ブロックはせせらぎと緑がポイント!
第4ブロックはあまり長い遊歩道ではありませんが、中を流れる人工の小川は一定時間ごとに水が流れるしくみになっています。
このブロックにもたくさんの植木があり、緑にあふれています。
植木のほかにも花壇があり、ちょうど今頃の季節に球根を植えると来年の春に美しい花が咲くそうです。
八尾市は公園や遊歩道には積極的に季節の花の種や球根を植えているので、季節の花を楽しめるのもすてきですね。
この第4ブロックの一番端にも噴水があります。
この噴水は曜日と時間を決めて水が吹きあがる仕組みになっています。
さて、噴水の広場の先に行くと最後の第5ブロックへの案内板があります。
恐らく第5ブロックへの道を間違える人が多いために用意されたものだと思います。
案内板に従って右折して楠根川にかかる橋を渡って、すぐ左手に向かうことにしました。
第5ブロックは5つのブロックの中で一番長い遊歩道
北本町3丁目12の表示がある電柱の前のポールのところから第5ブロックの遊歩道が始まります。
ここから見た感じでは第3、第4ブロックの遊歩道とあまり変わりはないように思われます。
第5ブロックの看板を見ても少し道幅が広いようですが、特に変わった様子は感じられません。
20m近く進んでいくと、このブロックはほかのブロックに比べて花壇が多いことに気づきました。
通路は土のところがあったり、ブロックや石畳になっているところもあります。
そして第5ブロックには給水場もあります。
この給水場はハンドルを手で持っている間だけ水が出てくる仕組みになっているので、節水についてもよく考えられているんだなぁと感心しました。
そしてこのブロックにも噴水と人工水路がありました。
ベンチも多めで休憩するには最適な公園だと思います。
脇道の先にも屋根付きベンチと広場があるので、第5ブロックの遊歩道公園は3方向から出入りできるようになっているのも便利ですね。
そして噴水広場の先の横断歩道を渡ると、とても美しい花壇が目に飛び込んできました。
黄色とオレンジ色の百日草が見事なまでに満開でした。
横断歩道の向こう側には、花が満開の花壇が複数あって、これも季節ごとに花の種類が変わるそうです。
そしてフェンスにはたくさんの絵が飾られています。
このフェンスは用和小学校のこどもたちのギャラリーになっています。
色とりどりの絵には、川や生き物を大切にしたいという願いがたくさん込められています。
旧楠根川緑地の遊歩道公園は全部で5箇所あるので、好きなブロックを散歩してみてくださいね。
旧楠根町緑地
住所:大阪府八尾市萱振町3丁目47~楠根町5丁目
アクセス:近鉄大阪線「近鉄八尾」より徒歩約22分
近鉄大阪線「久宝寺口」より徒歩約22分