八尾最西端の地、竹渕に鎮座する歴史上の人物ゆかりの「竹渕神社」

梅雨の晴れ間の昼下がり、所用で八尾市内から大阪市平野区へ自転車を走らせました。そんな道すがら、公営団地や中小工場が立ち並ぶ一角に緑に囲まれた気になる神社を発見!所用を済ませた帰り道、通り過ぎた神社へ参拝しに行きました。

竹渕(たこち)神社はどこにあるでしょう?

広々とした敷地の外には「竹渕神社(たこちじんじゃ)」の文字が見えます。

住所に目を向けると、大阪市平野区だと思っていたこの場所は「八尾市竹渕二丁目」、なんと八尾市にありました!

竹渕(たけふち)地区は、周囲三方を大阪市平野区に囲まれた、八尾市最西端に位置する実質飛び地とも呼ばれる場所です。

昔は「たこち」でしたが、昭和62年頃の住所表記変更に伴い「たけふち」へ変更されました。神社や学校の名前は今でも「たこち」の呼び名を残しています。

神武天皇に導かれた歴史ある神社

正面の鳥居は全体的に落ち着いた佇まいで歴史を感じさせます。
それもそのはず、竹渕神社の歴史はおよそ2700年!
なんと紀元前からの歴史ある神社なのです!

初代天皇の神武天皇が日本を治めるため大和国橿原を目指していた時、生駒山で強敵に襲われました。その時、この地の大竹藪に身を潜め危機を免れたと伝えられており、その霊跡に天照大神をお祀りしたのが、この竹渕神社だそうです。

太古の壮大な物語が、今やこんな静かで穏やかな場所で起こったとは驚きですね。

斜めに生えている御神木には理由があった

参道に入ると右手にすぐ、斜めに生えた御神木があります。
江戸時代まで竹渕神社の本殿境内を取り囲み周濠(宮池)があり、人々は龍神様の住む宮池として恐れていました。しかし、市街化と共に汚水化が進み、昭和44年にその一部が埋め立てられました。

恐らく宮池の埋め立てが、この御神木の生え方に影響を与えたのでしょう。
宮池の一部は、御神木とは参道を挟んで反対側に現在も残されています。
龍神様がいらっしゃると思うと神秘的ですね。

埋め立てられた宮池跡はとにかく広いです!
近所の子どもたちが駆け回るのが目に浮かびます。

いよいよ拝殿本殿にお参りです!

境内の奥へ進むと拝殿本殿がありました。

本殿の御祭神には天照大神が祀られています。

広々とした境内にくらべると、拝殿本殿はこぢんまりしていますが小綺麗で気持ちの良い場所でした。手を合わせ目を閉じると、小鳥のさえずりだけが響き、穏やかで静かなひとときを過ごすことができました。

2つ目の御神木にご挨拶

境内の奥に、ふたつ目の大きな御神木がありました。

ひとつ目の御神木よりも大きくて見上げるほどです。
八尾市指定保全樹木くすのきの指定を受けた立派な立ち姿でした。

ご本殿の他にもいくつか境内社がありました。
稲荷社をはじめ、吉野から分霊された神様、龍神・雨など水に由来する神様が祀られています。龍神様の宮池があることも含めて、水との関りが深い神社なのが良く分かります。

徳川家康公ゆかりの地

今、大河ドラマで話題の徳川家康公は、生涯で二度竹渕を訪れています。

「伊賀越え」「大坂夏の陣」という命の危機にさらされた時、竹渕の塩川家にかくまわれ難を逃れたといいます。
この石碑は家康公の馬を繋いだ大楠之木の跡で、のちに塩川家より神社境内に移設されたそうです。

アクセスは、地下鉄谷町線出戸駅から徒歩10分程度です。平野区を散歩していたらいつの間にか八尾市の竹渕神社にたどり着きます!

みなさんも2700年の歴史を持つパワースポット竹渕神社をお参りし、歴史上の人物たちに思いを馳せてみませんか?

竹渕神社
住所:大阪府八尾市竹渕2丁目154
アクセス:地下鉄谷町線「出戸駅」徒歩11分、JR大和路線「久宝寺駅」から車で約11分
電話:06-4302-5056
駐車場:あり

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。