100年余りの歴史と伝統が詰まった堅下のワインの醸造所「カタシモワイナリー」

柏原といえば全国でも有数の大阪ぶどうの産地です。
古くから代々ぶどう園を営んでいる農家さんが多く、デラウエア・シャインマスカット・ピオーネ・ベリーA・ネオマスカット・甲州ぶどうなど、毎年6月から10月頃まで柏原市内のぶどう直売所でたくさん販売されています。

今回は、そのぶどうを使ったワインの醸造所と直売所をご紹介したいと思います。
カタシモワイナリーは、西日本で現存する日本最古のワイナリーです。

関西テレビ「newsランナー」やテレビ大阪「おとな旅あるき旅」などの番組で紹介されたり、MBS毎日放送は2013年からカタシモワインフードさんと連携して、減農薬・有機栽培のスパークリングワイン造りに関わっています。

カタシモワイナリーの場所は、太平寺北交差点を山側に向かって入って行きます。
太平寺の住宅街の中に「ちひろパーキング」という貸しガレージがあるので、1・2・3・12・13・15・16がカタシモワイナリーの専用駐車場です。

この駐車場から数十メートルほど歩いていくと、カタシモワイナリーの専用駐輪場もあるので、自転車・バイクの方はここに停めてください。
カタシモワイナリーの本社・醸造所と直売所の前は駐車、駐輪ともに禁止になっているのでご注意を!

まずはカタシモワイナリーで見学してみました

カタシモワイナリーの外観を見ていただくとおわかりいただけると思いますが、このワイナリーは110年の歴史があります。
大正時代から自社畑のぶどうを使って、ずっとこの堅下の醸造所でワインを造ってこられたのですね。
創業者高井作次郎氏が日本酒や味噌や醤油等の発酵技術を応用して、試行錯誤の末ワイン醸造に成功してからずっとここで造り続けているのだそうです。

中に入ると、何十年も前に使われていたワイン樽やぶどうの破砕機などが置かれていて、長い歴史を垣間見ることができます。

そしてもう少し奥に進むと蔵があって、ワインを詰める前の瓶がたくさん貯蔵されていました。
この瓶に赤ワインや白ワインを入れてからラベルを貼って店頭に並べられるんですね。

2019年オープンのミュージアム カフェ&バーはオシャレで趣のある空間

そして更に奥まで進んでいくとごく普通の金属製の階段があります。
これを登った先にあるのが「ミュージアムカフェ&バー」です。

このカフェ&バーは不定期で営業されるそうで、私が訪れた日はお休みでした。
せめて外観だけでも写真に収めようと思って、入口ドアの写真を撮っていると、案内スタッフさんが「今から中を見学される方がいるので、良かったら一緒に入られますか?」と声をかけてくださいました。

お客さんが入っていない状態のカフェ&バーを見学する機会は、なかなかあるものではないので、お言葉に甘えさせていただくことにしました。

中に入って一番最初、目に飛び込んできたのはこのステキなバーカウンターです。
ピカピカに磨き上げられたカウンターにレンガの色合いがマッチしていて、オシャレで大人っぽい雰囲気をかもしだしていると思いませんか?
このバーカウンターでワインを飲むことができたらカッコいいだろうなぁと想像してしまいました。

カウンターの後ろには古いワイン樽をテーブルに改造したテーブル席もあって、こちらは複数名のグループで利用することができるようです。

それから「ミュージアム」の部分なのですが、ここには大正時代から昭和時代にかけて使用されていた圧搾機や破砕機などの醸造用器具、そして金庫や蓄音機も展示されています。
ワインを作るための機械は、実際に使用されていたもので重要文化財に指定されているそうです。

この「ミュージアムカフェ&バー」は事前予約やランチ付き見学会などを利用してワインや食事を楽しめるようになっていますので、HPのブログやInstagramで確認してくださいね。

本社事務所の向かい側には、小中学生の社会見学や団体客の見学用の広間があります。

長テーブルと椅子が何列も並んでいて、現代風寺子屋のようですね。
ここでぶどう造りやワイン造りの歴史や大阪ワインの歴史の勉強をするんですね。

本社の壁には小学生たちの『見学のお礼の手紙』がたくさん飾られていました。

本社の側にある直売所は築130年の先代の邸宅を改造したもの

本社ワイナリーのすぐ近くに直売所があります。
この直売所は2024年3月で、以前の場所からこちらに引っ越したそうです。

直売所の回りをグルッと歩いてみると、旧邸宅の壁が延々と続いていて、外からでも広い建物や手入れの行き届いた広めの庭を垣間見ることができました。
大邸宅という表現がピッタリでした。

この門の奥が直売所なのですが、レトロな趣のある建物だと思いませんか?
まるで時代劇のドラマに出て来そうな建物ですよね。
実はこの直売所は、先祖代々の社長のご自宅だったそうです。
以前の直売所は、ごく普通の酒屋さんといった感じのお店だったのですが、この新しい方の直売所は「映え」も狙えます!

店内には常に40種類以上のワインやブランデー、ジュース類が並んでいます。
直売所でしか買えない「無添加ワイン」や22000円の高級ワインのほか、2019年のG20大阪サミットで出された7種類のワイン・スパークリングワインなどもありました。
低アルコールワインや100%ぶどうジュース、大阪名物のひやしあめもカタシモワイナリーさんで造られています。

ワインオープナーも本格的でおしゃれなデザインで、ちょっとしたプレゼントに良いと思います。
このほかに、名物のひあしあめを使ったお菓子はお子さんへのおみやげにちょうど良いと思います。

直売所で買ったぶどうジュースとひやしあめは期待以上のおいしさ!

今回購入したのは「無添加ナイアガラぶどうジュース」と「ひやしあめ」です。
実は私はお酒が飲めないので、「ぶどうジュース」と「ひやしあめ」に決めました。
100%果汁の「ぶどうジュース」はこくがあるけどスッキリした味わいで、いくらでも飲めてしまうおいしさでした。

「ひやしあめ」は関西の夏の定番の飲み物です。
東日本ではあまり飲まれていないのだとか…。
麦芽水飴をお湯で溶いたものに生姜のしぼり汁を加えた飲み物で、見た目は麦茶のような感じです。
エアコンで冷えた体には、生姜の血行を促す作用が効果的だったり、夏バテ対策にもちょうど良いと言われています。
カタシモワイナリーの「ひやしあめ」は希釈タイプなので、水や氷で薄めて飲んだり、緑茶や焼酎の風味付けにも最適です。
この「ひやしあめ」のラベルはちょっとレトロ感がありますよね。
これは発売当初から変わらないデザインなのだそうです。

直売所の外に出て少し周りを歩いてみると、いろいろと散策できそうでした。
山の方に向かって進むとカタシモワイナリーのぶどう畑もあるのですが、カタシモワイナリーの近辺にもぶどう畑が点在しています。

カタシモワイナリーを訪れると「村歩き散策マップ」が貰えるので、ゆっくりと近辺を散策してみるのも良いと思います。

ワイン好きの方もぶどうが好きな方にも一度訪れて欲しい場所で、ここでしか買えないワインやジュースを特におすすめしたいと思います。

そして風情を感じられる石畳の道も散策してみてくださいね。

カタシモワイナリー
住所:大阪府柏原市太平寺2丁目9-14
アクセス:近鉄大阪線「安堂駅」より徒歩約7分
JR大和路線「柏原駅」より徒歩約15分
(車の場合、大阪府柏原市太平寺2丁目535番・ちひろパーキング利用)
電話番号:072-971-6334
開館時間:平日10:00〜18:00・土日10:00〜17:00
休業日:年中無休(正月休み除く)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。