みなさんは「サヌカイト」という石をご存知でしょうか。
1400万年前に火山から噴出した溶岩が固まってできた石で、叩くと高く澄んだ音がするので、カンカン石とも呼ばれています。
近年では、楽器としても注目を集める石なのですが、なにより石器時代に打製石器や磨製石器の材料として歴史の教科書にでてくることで有名です。
今回はそんなサヌカイトも出土した「国府遺跡(こういせき)」についてご案内します。
住宅街にひろがる遺跡

道明寺駅から徒歩約15分。
惣社の住宅街を歩いていると、視界がひらけて草が生い茂った広場があらわれます。
こちらが、旧石器時代から中世にかけての複合遺跡である、国府遺跡です。

国府遺跡は国の史跡に指定されており、旧石器時代からの貴重な出土品の数々が発掘された遺跡です。
なかでも、こちらで発掘された縄文時代の玦状耳飾りは、藤井寺市の市章のモチーフになっているとのことです。
こちらの遺跡は、住宅や道を挟んでいくつかに分かれているのですが、全て合わせるとサッカーグラウンド2面分ほどの広さ。
その一部は現在、グランドや花壇となっており、市民の憩いの場として親しまれています。



国府遺跡とは
こちらの特徴の一つは、旧石器時代から中世まで、いくつもの時代の人々の活動の痕跡がみられる複合遺跡であること。
そして、惣社・国府一帯の埋蔵文化財包蔵地を「国府遺跡」とよんでいます。

大正6年に初めての本格的な発掘調査がおこなわれ、縄文時代から弥生時代にかけて計90体の人骨が検出されたそう。
特筆すべきは、この調査で縄文時代よりも古い層からサヌカイト製の大形で粗い石器の出土に成功したことです。
この発掘当時、日本には旧石器時代はないと否定されていました。
その定説が覆されたのは、相沢忠洋が昭和26年に群馬県の岩宿遺跡の発掘調査で証明した以降、と学校では習ってきましたが、それ以前に藤井寺市内で旧石器時代の石器が発掘されていたとは驚きました。
ただ、当時の学会では旧石器時代の存在に否定的な見解が示されたため認められることはなかったそうです。

発掘場所の近くには、記念碑がありました。

もう一つの魅力
旧石器時代は2万年前ですが、そこからくだって飛鳥時代には衣縫廃寺(いぬいはいじ)が、こちらに創建されたのだとか。
その塔心礎(とうしんそ)は、現在でも史跡内に残っていましたが、明治時代に建てられたであろう地元の名士を称える碑が、その上にたっていました。

冒頭でも触れたように、こちらの史跡にはグラウンドがあり、自由に遊ぶことができます。
子どもが遊べる広場が少なくなってきた昨今では、住宅街にこういった広場があることはかなりうれしいはずです。
住宅街なので車の通行も少なく、ほぼ手つかずの草むらが広がっているので、小さなお子さんでも安心して遊びまわることができます。

注意書きによれば野球は禁止されていますが、簡単なボール遊びができるみたいなので、ボール遊び全般を禁止している公園が多い中では貴重な存在ですね。

また、グラウンドの周りには梅やハナミズキが植えられていました。取材時はちょうどよい季節だったので咲いている姿をみせてくれていました。
歴史のある藤井寺市内には多くの史跡がありますが、ほとんどの場所で、現在ではこういった市民の憩いの場、身近に自然と触れあえる場として機能しています。こういったところが市内にある史跡のもう一つの魅力ではないでしょうか。
ぜひ近くを立ち寄った際や、お散歩のついでに立ち寄ってみてくださいね。
国府遺跡
住所:大阪府藤井寺市惣社2丁目
アクセス:近鉄南大阪線「道明寺駅」から徒歩約15分
駐車場:なし

















