古墳時代にはにわをつくっていた工人集団•土師氏(はじし)に由来する地名を持つ土師ノ里(はじのさと)。その名の通り、駅の周辺にはあちらこちらに古墳があり、近くには古戦場も存在するなど、歴史を感じられる地域として知られています。
今回ご紹介する「Nowhere Hajinosato(ノーウェア ハジノサト)」は土師ノ里駅から徒歩1分ほどの場所にある商業施設里の箱庭の一角にあるカフェです。
里の箱庭は、長屋をリノベーションした複合商業施設。
白を基調とした外観は、どこか地中海の町並みを思わせてくれるような雰囲気でした。カフェのほかにも、クレープ屋さんや美容室が入ってています。

外装はもちろん、お洒落でレトロなインテリアも魅力的

建物の雰囲気とマッチしたランプシェードが印象的な、スタイリッシュな入り口から店内に入ると、焼き菓子と陶芸作品が展示・販売されています。

Nowhere Hajinosatoは2020年4月にオープンしましたが、焼き菓子の販売はそれ以前からさまざまな場所で始めており、すでに20年以上のキャリアがあるそうです。

店内ではかつては段ボール印刷に使われていたプレス機が、テーブルとして再利用されていました。
持ち上げて移動させるのも大変!というほどの重量があり、日常ではなかなか出会えない存在感。


販売されている作家ものの陶器はもちろん、店内にさりげなく飾られたアート作品もステキです。
スパイシーな味わいの南仏風チーズケーキとおいしいコーヒー

私が注文したのはホットコーヒーとチーズケーキ・マルセイエ。瓶の容器に収まっているチーズケーキははじめて見ました。さらに、アニス・リキュールが使用されている南仏マルセイユ風チーズケーキも初めての体験です。
口に頬張ると、ときおりアニスのスパイシーな香りがアクセントとして感じられます。チーズのお味が濃厚で、上にのせられているサクサク、ポロポロなクランブルやクリームとの食感の違いも楽しい一皿でした。
私好みの優しくすっきりとした苦みのあるコーヒーはチーズケーキともバッチリの相性で、とてもおいしかったです。
2階に併設されているコワーキング・スペースとは
こちらのお店で特徴的なのが、2階にコワーキング・スペースが併設されているところです。
コワーキング・スペースとは、共同という意味を持つ”co”と、働くという”working”の言葉を合わせた造語で、具体的には個人事業主やフリーランスの方が同じスペースを共有しながら、働くスペースという意味です。
こちらのスペースは、時間単位で職場として利用できます。

在宅勤務が当たり前になったコロナ禍以降、注目が高まっているコワーキング・スペース。
土師ノ里ではまだまだ珍しいのではないかと思いきや、海外の方が1か月単位でこちらをレンタルされて仕事をされていたこともあるのだとか。
「この空間は空が見えるところがが魅力なんです」という言葉の通り、大きな窓から気持ちのよい青空が広がっていました。
解放感あふれる空間での仕事は、作業もはかどるはずです!

取材日も芸大を卒業された方がこちらのスペースを利用して小説を執筆されていました。
土師ノ里に偶然集まった個性豊かなお店

Nowhere Hajinosatoでは定期的にさまざまなイベントが開催されています。
古い映像を映写しながら音楽を演奏するイベントや、布作家が開かれているソーイングクラブ、モーニングを食べながらおこなわれる読書会など面白い企画がたくさんあります。
さらに、土師ノ里駅周辺のお店が集まって催される「パーフェクトデイ」というイベントなど、地域やご近所の複数の店舗で企画されるイベントも多いのだとか。
コロナ禍以降に偶然、人やお店が土師ノ里に引き寄せられて面白いコミュニティが育ちつつあるそうです。
周辺にはアサノヤブックスという一風変わった古本屋や、週末限定で営業している洋服店アトリエマーシーなど、個性豊かな店舗がたくさん展開し始めています。今、土師ノ里がおもしろい!
人やカルチャーに出会うことができるカフェでお茶をしながら、個性的なお店を巡り、歴史ある地域を散策してみてはいかがでしょうか。
Nowhere Hajinosato
住所:大阪府藤井寺市国府1-1-7
アクセス:近鉄南大阪線「土師ノ里駅」から徒歩約1分
営業時間:10:00-20:00
定休日:月曜日、火曜日
駐車場:なし