近鉄大阪南線藤井寺駅からてくてく歩くこと約22分。津堂城山古墳を横目に大和川のほとりまで来ると住宅に混じって工場群が見えてきます。今回、ご紹介するのはこちらにあるお菓子工場の大阪前田製菓 直売店です。
この直売店があるのは、大正7年創業の老舗菓子メーカー・大阪前田製菓の工場内。誰もが小さな頃に口にしたことのある「乳ボーロ」で知られる企業です。
工場直売店ならではの商品がどっさり

工場に入ってすぐ左手にあるのが直売店です。少しわかりにくいかもしれませんが、直売店の看板もあり、しっかりと案内してくれています。

工場に併設されているお店ならではの、一般的な商店とは違う佇まいが、知る人ぞ知るといった特別な体験を演出してくれているようです。

「乳ボーロ」も販売されています。このパッケージにみなさん馴染みがあるのではないでしょうか。
ちなみに、一緒に並んでいるのは「たまごボーロ」ですが、その違いをご存知でしょうか?
この2つ、実は全く同じもので、地域によって呼び名が異なるのだそうです。たとえば大阪では「乳ボーロ」が主流らしいですが、京都では同じお菓子が「たまごボーロ」と呼ばれるのが一般的とのことでした。こちらの工場では両方を製品化し、販売しています。
一番の人気商品は1日に3,000本を売り上げる〇〇?

袋菓子だけでなく、もちろん、大福やおはぎなどの和菓子も販売されています。お赤飯もありました。市場に出る前の商品をいち早くいただけると考えると特別感が増してきます。

また、工場併設直売店ならではの、訳あり商品が販売されていることも大きな魅力の一つです。
訳ありといっても、たとえばパウンドケーキにのっているフルーツの配置にバラつきがあるとか、チーズケーキに少し焼きムラがでてしまったとか、焼き印がずれているとか、見た目に多少の違いがでてしまったために正規品にできなかっただけで、味に問題は全くありません。

店内奥で販売されている割れおかきは、個包装されるはずの進物用のもので、その際に割れてしまったものだとか。これらの商品ですが、人気の秘密はなんといってもリーズナブルなお値段です。どれも街中のお店ではなかなか見かけない価格で販売されています。

訳あり商品のため常に店頭に並んでいるわけではありませんが、ケーキだけでも10種類近くが陳列されることもあるそうです。自宅でいただくのであれば非常にお得なので人気の理由も頷けます。
しかし、一番人気はこちらの訳あり商品でありません。こちらの直売店で人気なのは、多い日で3,000本を売り上げるみたらしだんごになります。
その場で焼き上げる甘党まえだのみたらしだんご

大阪前田製菓はお菓子の製造・販売以外にも「甘党まえだ」という老舗の甘味処の直営もされています。57年前にあべちか店を開業され、現在、天王寺や梅田など大阪府下に8店舗(藤井寺市には1店舗)を展開されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
実はこの直売店でいただけるみたらしだんごは、その「甘党まえだ」で主力商品として提供されているみたらしだんごと全く同じものなのです。

みたらしだんごは、レジ横に設置されている焼き台で焼き上げられ、甘辛い蜜につけられています。温かいだんごにたっぷりと蜜がかかっていて、漏れ防止のビニールにいれて箱に詰めてくださいます。なんといっても甘じょっぱい蜜と優しい甘さのおだんごのハーモニーに、大人でも心が躍ります。家に持ち帰ってもまだ温かく、食感が柔らかくてとてもおいしいです。

そして、こちらのみたらしだんごも「甘党まえだ」の各店舗よりもお安く販売されています。常連の方は数十本購入されることも少なくないようです。
大阪前田製菓直売店の営業時間は9時から18時、元旦以外は年中無休で営業されています。地元に住んでいる方にはありがたい存在です。土日は多くのお客さんでごった返すこともあり、人気商品を求めて朝から行列ができることもあります。地元民の特権、知る人ぞ知る特別なお店をぜひ訪れてください。
大阪前田製菓直売店
住所:大阪府藤井寺市小山6-5-46
アクセス:近鉄南大阪線「藤井寺駅」から徒歩約22分
営業時間:9:00-18:00
定休日:なし
駐車場:店舗前に3台、第二駐車場あり